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備忘録

足りないなら足せよ

女子大生取材日記⑤〜そんなものいないよ〜

進捗報告

・ただいま東京!!!!

以上です。

 

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昨日友人が撮ってくれたお気に入りの写真。

バレエとか、踊り出せそう。

 

沖縄最終日。

もともと予約していた飛行機には確実に間に合わないアポが取れたため、飛行機の時間を遅らせて、今日は陸軍病院南風原壕群20号の見学・取材へ。

暗所・閉所恐怖症の私は、昨日のガマのレプリカでビビったのに加え、去年ガマを取材していた先輩方に脅され、今日の朝は緊張で体調が悪いという見事なヘタレフルコンボを叩き出す。大変ご迷惑をおかけしました。

車を運転してくれていた先輩とは南風原文化センターで別れ、Mちゃんと二人で壕に向かう。

 

南風原の陸軍病院はひめゆりが2ヶ月間看護活動をしていた場所で、沖縄に行くなら絶対行きたいな、とは思っていた。

正直、カメラを回せるとは思っていなかったが、一か八かで事前にメールをしたら取材許可をいただけたので撮影することが出来た。

 

目的地の陸軍病院は山の中にあり、たどり着くためには山を抜けなくてはならない。

朝に降った雨で道はぬかるんでいて、コンクリートの道ですら滑って危ない。

途中分岐点があり、整備された遠回りか、「飯揚げの道」を通って近道するかだ。

 

「飯揚げの道」は、壕から炊事をしていた集落まで、二人一組になって醤油樽を担いで傷病兵や自分たちのご飯を取りに行くための道だ。

運んでいる間も銃弾が飛んでくるこの道は、当時の彼女たちにとって最も危険な仕事の一つだったそうだ。

履いていたスカンツの裾を上げながら、飯揚げの道を通ってみることにする。

ハブ注意の看板を横目に、ほとんど道無き道を登る。終わりが見えないのと足場の悪さで、ちょっと行って断念してしまった。

あそこを大きななにかを持って登るのはあまりにもキツイし、それにプラスして敵に見つからないように走ったりかがんだりするのは無理だと思った。

汗を拭って、整備された道を進む。

 

ガマには、ヘルメットと懐中電灯を持って入る。入る前にカメラを持つ手に力が入らなくて笑った。

映像ブレてたら使い物にならないわ、と思ったら怖いとかいう気持ちが消え失せたので、怖いとか以外に意識を持って行くのは大切だ。

 

中は外より涼しく、思ったよりなにもなかった。

当時のことを想像をすることは、この取材においてずっと必要なことだったが、私はここでなにかを想像することを意図的にしないようにしていた。

想像したら、確実に立ちすくむと思った。

 

出口の扉の前で、持っていた懐中電灯を消して当時の暗さを体験してみるというレクをした。

一瞬だけ光の消えた壕の中で、カメラ越しにしか振り返れなかったのは私の弱さだなと思う。

レンズを通さないと、私はここでなにかと向き合うことは出来ない。

 

 

なにがそんなに怖いの?という感じだと思う。

なにが怖いってそりゃ、おばけなんだけれども。 

 

こういう取材をしていて「おばけ怖い」とかいうと、失礼かなとも思うし、実際そういう風潮もあるし自分でもそう思う。

そこで亡くなった人に寄り添って取材をしているのだから、そんなこと言ってるなやとも思う。

これは今年だけじゃなくて、去年の被災地の取材でも思っていた。

だから、取材の場では絶対に「おばけ怖い」なんて言わないし、思わないようにもしている。

 

本を読むのが子供のころから好きだ。

特にハリーポッターなどのファンタジーが好きで、いろいろ読み漁った経験がある。

ああいうものを読むときに私が多分一番使っている力は、想像力だ。

その場面を事細かに思い浮かべて、世界を作って物語をたどる。

ファンタジーで鍛えたこの力を、他の本で応用するとたまにしんどいときがある。

ひめゆりの塔をめぐる人々の手記」や、壕の中にある説明文の具体例なんかがそれにあたる。

読んで瞬間的に想像できたことが、映像となって自分の頭に記憶されるのを知っている。

その覚えた映像が、目を瞑った拍子や、今後同じような場面で何度も思い出されることも知っている。

 

私が怖いのは、都市伝説みたいな「おばけ」ではなくて、自分が想像した「こわいこと」なのだ。

ただそれは今は現実にない、という意味でおばけであり、しかも確実に私にしか見えないのだ。

 

今日、夕方家に帰って、とりあえず30分寝ようと思って部屋の電気を消したら、まんまと壕を思い出した。私はどこにでも現れるおばけを、また一つ獲得してきてしまったみたいだ。

 

沖縄、全体的にいい経験だった。

本当に百聞は一見にしかずだったなあ。

これからどう展開させようか悩んではいるのだけれど、とりあえず「第1章、完」ではないだろうか。

 

明日から大学。夢見たいな沖縄から、しっかり現実に戻ろう。